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ゴムライニングとは
ゴムライニングとは、金属の表面にゴムを貼ることです。タンクや配管の内側にゴムを貼ることで、金属が腐食したり、摩耗したりしないようにします。機器の用途に合わせて様々な種類や厚さのゴムを使います。
どんなお仕事ですか
主に2種類のお仕事があります。
- 弊社工場の中でタンクや配管にゴムを貼る。
- お客様の工場内で使用中の機器の点検や修理(補修)をする。
ゴムライニングの流れ
弊社工場内でゴムを貼る場合、主に次のような流れで作業します。
1. 金物受入れ

ゴムを貼る金物に欠陥がないか調べます。
2. 表面処理

金物表面にある錆などを落とします。主にサンドブラストという方法で処理します。(この作業は外部業者に委託しています)
3. 接着剤塗布

貼るゴムの種類に合わせて接着剤を塗ります。
4. シート裁断

金物の形に合わせて、カッターでゴムシートを切ります。
5. シート貼付け

裁断したゴムをステッチャーという工具で金物に貼ります。
6. 加硫

加硫缶に金物を入れ、蒸気で加熱します(「加硫」については下で説明します)
7. 仕上げ

見た目がきれいになるように仕上げをします。
8. 検査

硬さや厚みなど5種類の検査を行って、ゴムに欠陥がないか調べます。
現地工事(点検補修)の内容
お客様の工場で機器を点検したり、壊れている箇所があれば修理をします。
点検の内容は外観検査、硬度検査、膜厚検査、ピンホール検査、打診検査です。
硬度検査

ゴムの硬さを測定します。
膜厚検査

ゴムの厚みを測定します。
ピンホール検査

ゴムに穴(ピンホール)が開いていないかどうかを調べます。
打診検査

ゴムと金物の間に隙間ができていないかを調べます。
加硫について
ゴムの一番の特徴は、引っ張ると大きく伸び、離すと元に戻る性質です。この性質はゴムに最初から備わっているものではありません。ゴムに硫黄を数%混ぜて、加熱することではじめて伸び縮みするゴムが得られるのです。その工程を「加硫」と呼んでいます。
加硫とはどのような化学反応でしょうか。加硫する前のゴムを「生ゴム」といいます。下の図1のような状態です。ゴムの分子が並んでいるだけで、お互いにつながっていません(実際には並んでいるというより絡まっています)。

ここに硫黄を混ぜて加熱すると図2のようになります。ゴムの分子が硫黄によってお互いにつながっています。これによってゴムを引っ張って伸ばしても、離せば元通りに縮む「加硫ゴム」に変化します。加硫ゴムにすると、塩酸などの酸や摩耗に耐えられるようになります。
